初めて来られたときの患者さんの状態
この患者さんは、2024年の5月に来院されました。
通りすがりに看板を見ていて、「行ったらよくなるやろうか?」「行ってみてよくならなかったらどうしよう」などとしばらくお悩みになっていたそうです。しかし、症状が強くお仕事もままならないとのことで勇気を出してご予約くださいました。
1年前の当初は歩くのにもトイレに行くのにも腰と足が痛くて杖が必要だった患者さん。
痛み止めも数ヶ月に渡って一日3回飲んでいましたので「薬はあんまり飲みたくないんやけど、飲まないと痛くて仕事もできないし・・・。」とおっしゃっていました。
そしてお体の治療はしておらず、整形外科で薬をもらっているだけの状況でした。
重たい道具を腰に下げているお仕事
このお写真は一年前と現在の状態を比べたものです。(写真掲載の許可をいただいています)
この患者さんはお仕事柄、重たい道具を右腰に下げて一日中仕事をされていた関係で、偏ったお体の使い方になっていました。
ここまで捻れてしまうと、治療によって外から手を入れなければ綺麗なバランスには戻りません。ストレッチをしようともラジオ体操をしようとも元には戻らないのです。
それは毎日歯磨きをしても、虫歯ができたり歯石が溜まったりするのと同じで、専門家の手を入れないと整わないのです。
この患者さんの治療方法
当初お体を確認させていただくと、上向きに寝ることも辛いほどお体のゆがみがひどく、常に杖をそばに置いておかないといけないということでした。
薬を飲んでも効かないからその量を増やす、でも痛みが気になって飲む回数も増える、という悪循環がありましたので、そこを少しずつ変えてもらうようにしました。
もちろん、整体治療で体のゆがみを整えながら、最初の1ヶ月は3回の治療を施す必要もありました。それは治療をしてもゆがんだ状態に戻ることを防ぐためです。治療を重ねるほどに整った状態が長く続くようになります。
このように治療計画をしっかりと立てて、整体治療を続けるとまずは上向きに寝られるようになり、怖くて外せなかったコルセットを外す時間が増えていきました。
今では薬も週に数錠だけ、杖も必要なくなり、仕事のシフトも2倍に増やすことができたと嬉しいお声をいただきました。
「病院の先生に『薬が足らんのちゃう?最近全然来んけど大丈夫?』と言われました(笑)」とのこと。
今後は1ヶ月に一回のペースで当院の整体治療でお体のメンテナンスを続けて症状が出にくいお体をキープしていきます。
痛み止めを減らすことは大変辛いです
一度痛み止めに頼った状態を元に戻すのは大変辛いことです。
痛み止めが必要な場合、有用な場合はもちろんあります。薬を飲みながら治すということも悪いことではありません。
しかし、痛み止めを長く、大量に服用すると痛みを感じるセンサーが敏感になり、今まで痛くなかったレベルの痛みを「強い痛み」として認識するようになります。
すると「薬が足りない」となって量を増やし、回数を増やし、この患者さんのようにサプリのように飲んでしまうことになります。少しの痛みを強く感じてしまうために薬がやめられなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
今回の患者さんは私を信用してくださって、本当に辛い症状があっても薬を一度飲まない、一日3回飲んでいたのを2回に減らす、ということから始めて、今では一日に1回だけ、それは週に3日程度、という状態まで一年かけて減らすことができました。
これはご本人の強い意志と努力がないと成し遂げられないことです。
まとめ
このように、一度痛み止めに頼り切った体になると、薬を減らすということだけでも一年単位でかかるくらい大変なことです。
症状の強さや頻度によっては治療回数や期間がかかりますが、原因を取り去る整体で症状を最低限まで減らすことが可能です。
杖を付かないといけないような足の痛み、腰痛にお困りの方はぜひご相談くださいね。
(監修 柔道整復師 田口誠二)